医療保障
医療保障の考え方
平均寿命が男性79.19歳、女性85.99歳(平成19年)と長寿大国の日本ですが、老後もずっと元気で暮らして、ある日眠るように天寿を全うする方はほんの一握りといえるでしょう。
残念ながら長生きとともに入院のリスクも高まってしまうのです。また、現役世代においても、生活様式の変化によって40歳代男性における糖尿病予備軍が急増し、若年層の女性における乳がん発症率も増加傾向になります。
このような状況において、医療保険について給付金の増額や新商品への見直しを考える人が増えています。ただ、単に保険料が安ければいいという見直しは考えもの。自分にとって必要な保障な何なのか、その優先順位はどのように考えるべきなのか。
まずは入院時に受けることができる公的な保障を把握したうえで、一人ひとりが必要とする保障を検討
することから始めてみましょう。
| <年齢と共に上がる入院割合> |
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| <健康管理が問われる時代に> |
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給付を確認しよう
万が一入院した場合は様々な費用を負担しなくてはなりません。現在は会社員も自営業者も、現役世代の健康保険の自己負担率は3割となっています(一部年齢により異なる)。
以前より自己負担率は上がっていますが、風邪など軽い症状なら病院を利用しても自己負担額は数百円から数千円程度です。しかし、入院となると医療費や薬代以外で健康保険が適用されない出費も発生するため、こちらの負担が多くなります。
医療費は過去のデフレ時代においても年々上昇傾向にあり、病気やケガで働けなくなった時に「高額な医療費を請求されては」と心配するのは無理のないことです。だからといってやみくもに高額な備えも考えもの。なぜなら医療費そのものは上昇傾向にあっても、医療技術の発達等によって入院日数が年々減っている傾向にあるからです。
さらに健康保険が適用される治療で1ケ月にかかった治療費の自己負担額が一定の金額を超えた場合、超えた部分が払い戻される「高額療養費制度」により青天井で治療費がかかるわけではありません。
例えば70歳未満で月収が53万円未満の「一般」に該当する会社員(自営業者だと年間所得600万円以下)に100万円の治療費がかかった場合(全て健康保険適用とする)、健康保険での自己負担は3割の30万円、それに高額療養費制度が適用されると、最終的な自己負担額は8万7430円(月収53万円以上の会社員だと15万5000円)になります。
| <医療費は青天井ではかからない!?> |
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これに入院時の食事代(1食当たリ260円、1日780円)や雑費、付き添いの方の交通費、テレビ代、日用品代などの費用も合算すると、1ケ月の基本費用は15万円程度と見込めます。これらを日額に置き換えると、最低日額5000円~7000円(5,000×30日=15万円)程度の医療保険に加入しておけば、基本的な費用に何とか対応できるといえます。
但し、気をつけたいのは差額ベッド代や先進医療の技術料は全額自己負担になることです。差額ベッドとは、1病室当たり4名以下(4人部屋~個室)で規定の条件を備えた差額ベッド室のことで、患者が差額ベッドでの入院を希望すれば、入院費とは別に室料(差額ベッド代)がかかります。差額ベッド代は病院側で自由に設定することができ、1泊当たり平均で約5,000円、個室だと10,000円を超える所もあり、入院中毎日かかる費用のため、金額が大きくなりがちなのです。
| <その他自己負担となるのは何?> |
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一般的に医療保険は日額の入院給付金(入院1日あたりに保険から支払われるお金)をいくらにするかを基本として考えられます。また、いつから入院給付金が支払われるかは商品によって異なり、現在多くの医療保険は日帰り入院もしくは1泊2日入院からの給付となっています。また、1回の入院あたりの支払い限度日数も商品より異なります。
前述した通り、医療技術の進歩・発達によって、以前であれば入院が必要だった病気が通院での治療が可能になったものもあり、合わせて入院期間も短くなっています。
| <日帰り入院の年次推移> |
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| <平均在院日数の年次推移> |
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選択する上でのポイントは
医療保険に加入することを検討する時は、入院の確率が高くなる80歳以降に備えて今から終身医療保険に入っておくのか、若いうちは入院する確率は低いため医療保険はやめて傷害保険やがん保険に加入し、貯蓄しておくといった選択肢から検討されてはいかがでしょうか?
また同じ医療保険を準備する場合でも、会社員は長期入院や自宅療養に対して健康保険から傷病手当金が支給され、会社によっては高額療養費に加えて付加給付が支給されるケースもあります。
その点、自営業は給与所得者に比べて入院時の経済的リスクが高めですから、貯蓄とともに終身の医療保険も準備しておきたいところです。
さらに所得補償保険も検討しておきましょう。これは病気やケガで働けなくなったときに、設定した一定金額が保険金として月額で受け取れる保険で、入院による経済的負担を軽減するためのものです。
女性の場合はどうでしょうか?
既婚女性の医療保障は、夫の保険で家族(夫婦)医療特約に加入するケースが一般的でした。特約なので保険料が抑えられるというメリットがありますが、入院給付金の日額が夫の6割程度しか支給されないことや、入院する確率が高くなる80歳で特約が終了するケースが多いのが実状です。しかも夫が亡くなったり保険が満期を迎えたりすると医療保障がその時点でなくなってしまいます。
さらにシングルの増加は医療保険の必要性を高めていると言えます。シングルは親に養ってもらえる場合を除いて自分で働いて生活するため、入院時の経済リスクは既婚者に比べて高いといえます。
いずれにせよ、女性特有の病気への対応を含めて、終身の医療保険に女性疾病特約を付加することで保障を充実させておきたいところですね。
| <医療保険の選び方> |
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ライフプランと医療保障
医療保険に加入する際、日額の給付金や支払う保険料ばかりに重きをおいて検討される方が多いのではないでしょうか。しかし、肝心なのはライフプランにおいて「自分は何をリスクと考えて備えておくのか」という視点です。
最近は医療技術の進歩や医療制度改正により入院日数が短縮する傾向にある一方、治療の選択肢が増えつつあり、民間の医療保険ではこのような医療の方向性を見据えた商品開発が進んでいます。
入院なしの通院治療にも対応するもの、病名により保障される入院日数が異なるもの、健康保険が適用されない先進医療を選択した場合に、その治療費が実費支給されるものなどが登場しています。
特に先進医療はその技術・治療効果は高い反面、技術料が高額でしかも公的医療保険の給付対象外のため、全額自己負担となります。誰しもが最高の治療を受けたいと思うわけですから、いざという時に準備している貯蓄とのバランスを確認しておく必要があります。
さらには「セカンドオピニオン(主治医以外の医師に現在の診断に対する意見や治療方法について尋ねること)」を付帯サービスとするなど、「どのケースにおいて自助努力だけでは不安なのか」という保険に加入する本来の意味を自らが検討し、選択できる時代なのです。
ライフプランの原点に戻ると「貯蓄で備える」「保険で対応する」それぞれ検討が必要です。
最近は過去に病気等があっても、一定条件を満たせば加入できる医療保険が商品化されています。しかし予め一定のリスクを含んで計算しているため、一般タイプより保険料は当然割高になります。
普段の10万円と入院・手術といった有事の10万円では価値が異なってきます。また、長引く治療は身体だけでなく本人や家族の心理的な負担も侮れません。いずれにせよ、保障と心のバランスを家族でよく話し合った上で選ぶことが大切なのです。





